公爵の娘と墓守りの青年
水晶玉にはクウェール王国の様子が常に映し出されている。
クウェール王国を守護する女神、ネレヴェーユの意志によって、国内のあちらこちらの様子を映すことが出来る。
ただ、唯一、映すことが出来ないのはネレヴェーユの想い人、カエティスが住む場所。
――それが、ネレヴェーユの父である、この世界の神が下した彼女への罰だ。
何故、罰を与えたのか理由を知っている青年は彼女に同情した。
そこであることをふと思い出した。
「あ。そういえば、カエティスは今、カイと名乗ってますから、くれぐれもカエティスと人前で呼ばないで下さいね。呼んでしまうと、彼が怒りますよ」
何かを思い出したのか、青年は渋い顔をして言った。
「はい。分かりました」
ネレヴェーユは小さく笑って頷いた。
頷いた拍子に長い白に近い緑色の髪が揺れる。
「ところで、今は生まれ変わってると仰ってましたが、そうなのですか?」
「はい、そうですよ。前世でもある私の記憶もしっかり覚えてますよ」
普通は覚えていないのですが、と付け加えて青年は答えた。
「そうですか。トーイ、また会えますか……?」
クウェール王国を守護する女神、ネレヴェーユの意志によって、国内のあちらこちらの様子を映すことが出来る。
ただ、唯一、映すことが出来ないのはネレヴェーユの想い人、カエティスが住む場所。
――それが、ネレヴェーユの父である、この世界の神が下した彼女への罰だ。
何故、罰を与えたのか理由を知っている青年は彼女に同情した。
そこであることをふと思い出した。
「あ。そういえば、カエティスは今、カイと名乗ってますから、くれぐれもカエティスと人前で呼ばないで下さいね。呼んでしまうと、彼が怒りますよ」
何かを思い出したのか、青年は渋い顔をして言った。
「はい。分かりました」
ネレヴェーユは小さく笑って頷いた。
頷いた拍子に長い白に近い緑色の髪が揺れる。
「ところで、今は生まれ変わってると仰ってましたが、そうなのですか?」
「はい、そうですよ。前世でもある私の記憶もしっかり覚えてますよ」
普通は覚えていないのですが、と付け加えて青年は答えた。
「そうですか。トーイ、また会えますか……?」