公爵の娘と墓守りの青年
ネレヴェーユが微笑むと、トイウォースも笑みを返した。
そして、彼の姿はこの場から消えた。

「――私もカエティスに会いに行かなくては」

トイウォースを見送ったネレヴェーユは両手でそれぞれ拳を作り、意気込んだ。
カエティスに会う、自由になった彼女の最初の目的を達成するため、ネレヴェーユは準備に取り掛かった。
女神、ネレヴェーユの心を表すかのように夜明けの空は希望に満ちた色をしていた。




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