【完結】終わった恋にフラグはたちません!

◇ ◇ ◇

お見合いが行われた昨日の夜、ゆうちゃんは帰ってくるのが遅かった。
てっきり終わったらすぐ帰るものだと思っていただけに、あまりに遅いと自分の悪い想像が本当になってしまいそうですごく怖かった。


……────────現在

「──って言うか! あの人何なんですか、伊織さん!!」
「うん……本当、何なんだろうね─」

私に聞かないでくれ双葉ちゃん。
私だって何がなんだかよくわからない。

私と双葉ちゃんがコソコソと話してる中に石川君も乱入。

「本当すみませんっ! あいつ一体何を考えているのか……」
「あ、いえ、別に石川先輩が謝ることでは」

──さて皆さん、この会話を聞いて何を想像されますか?

実は私達全員も予想だにしていなかったことが起きたのです。

今日は丸一日、ゆうちゃん達の仕事が立て込んでおり、その日の余裕なんてなかった。昨日一日、澪先生が休んだ分、今日は夜中まで仕事が押してしまうだろうそんな時。
お見合い相手である亜里沙さんが、今朝早くに手土産を持ちながら突然現れたのである。

「あ、亜里沙さん!? どうしてここに?」
「今日は一日お忙しいとおしゃっていたので、私にも何かできないかと……あ、これ皆様に差し入れです」
「あ、りがとうございます──って、そうじゃなくて…僕、昨日は亜里沙さんにお断りをさせて頂きましたよね? それに亜里沙さんも ……」
「わかってますっ! けれどたった一日ではお互い何もわからないではないですか、今日一日だけでも澪先生のお手伝いをさせてください!」

──と、いうわけで亜里沙さんの強引さが勝利し、朝からゆうちゃんのマンションにいるわけなのです……

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