チャラ男の本気は甘すぎる



隣から、私のスマホを覗き込みながらやり方を教えてくれる睦月くん。


順調に進んでいき、メールアドレスやパスワードを設定するのに、睦月くんが私から離れた瞬間。




「紫央…おまえ、なんでこの子と仲良くしてんの?」



「友達だから」



「……この子、顔かわいいけど会話できねーよ」




睦月くんと金髪の男の子は知り合いみたいで、コソコソ話してる。


……全部聞こえてるけどね。




「べつにいいじゃん、俺が喋りたいだけだもん」



「さすがチャラ男。メンタル強」



「チャラ男言うなし」




パスワード設定し終わったんだけど、


なんだか2人が戯れあってて、話しかけづらい。



睦月くんだけならいいけど…あの金髪の男の子、きっと私のこと嫌いだろうから…。




< 11 / 301 >

この作品をシェア

pagetop