チャラ男の本気は甘すぎる
隣から、私のスマホを覗き込みながらやり方を教えてくれる睦月くん。
順調に進んでいき、メールアドレスやパスワードを設定するのに、睦月くんが私から離れた瞬間。
「紫央…おまえ、なんでこの子と仲良くしてんの?」
「友達だから」
「……この子、顔かわいいけど会話できねーよ」
睦月くんと金髪の男の子は知り合いみたいで、コソコソ話してる。
……全部聞こえてるけどね。
「べつにいいじゃん、俺が喋りたいだけだもん」
「さすがチャラ男。メンタル強」
「チャラ男言うなし」
パスワード設定し終わったんだけど、
なんだか2人が戯れあってて、話しかけづらい。
睦月くんだけならいいけど…あの金髪の男の子、きっと私のこと嫌いだろうから…。