チャラ男の本気は甘すぎる
「紫央く…「紫央〜〜!」
悲しそうな顔をする紫央くんに声をかけようとしたら
紫央くんの後ろに突然、女の子がドンッとぶつかってきた。
「うぉっ!!
あ?なんだ、チエちゃんか」
「昨日はありがとね〜」
ぶつかってきたのは、どうやらチエちゃんみたい。
私がいることに気付いてないみたいで、紫央くんの背中に額をぐりぐり擦りながら話してる。
「ねぇ、紫央〜。
笑莉のこと気に入っちゃった?」
「は?」
「昨日、笑莉と2人で部屋抜けてた時あったじゃん〜。
紫央は笑莉持って帰っちゃうんじゃないかって心配だった…」
「……紫央くんと笑莉が、2人で…」
私が小さく呟いたら、チエちゃんはようやく私がいることに気付いたみたいで。
「わ!……憂莉ちゃんいたんだ?」
まるでお化けでも見るような目で、チエちゃんは私を見た。