チャラ男の本気は甘すぎる



「紫央く…「紫央〜〜!」




悲しそうな顔をする紫央くんに声をかけようとしたら


紫央くんの後ろに突然、女の子がドンッとぶつかってきた。




「うぉっ!!
あ?なんだ、チエちゃんか」



「昨日はありがとね〜」




ぶつかってきたのは、どうやらチエちゃんみたい。


私がいることに気付いてないみたいで、紫央くんの背中に額をぐりぐり擦りながら話してる。




「ねぇ、紫央〜。
笑莉のこと気に入っちゃった?」



「は?」



「昨日、笑莉と2人で部屋抜けてた時あったじゃん〜。
紫央は笑莉持って帰っちゃうんじゃないかって心配だった…」



「……紫央くんと笑莉が、2人で…」




私が小さく呟いたら、チエちゃんはようやく私がいることに気付いたみたいで。




「わ!……憂莉ちゃんいたんだ?」




まるでお化けでも見るような目で、チエちゃんは私を見た。




< 116 / 301 >

この作品をシェア

pagetop