チャラ男の本気は甘すぎる



「……あ、の…睦月くん…」




めちゃめちゃ小さい声で呟いたら




「あ、終わった?
見ていい?」




睦月くんはすぐに気付いてくれて、また私のスマホを覗き込んだ。




「うん、これで天音のアカウント作れた。
じゃあ、天音を友達登録していい?」



「あ、はい…!」




やり方がわからないので睦月くんにスマホを渡したら、


睦月くんが、ん?と首を傾げた。




「名前、
“ゆり”ってなってるけど」



「え…あ、
本名じゃない方がよかったですか…!?」



「そうじゃなくて…え?
名前、“天音”じゃないの?」



「あっ…天音は名字です。
天音憂莉(ゆり)です」




名前教える時、紛らわしい言い方しちゃった…。


そういうとこにも、コミュニケーション能力の乏しさが出てる。



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