チャラ男の本気は甘すぎる



「え…あ、そうなんですか…?」



「うん。マジ。
なんか入学式初日にあそこの金髪野郎になんか言われてたけど、
あたしあーいう奴の方が嫌いなんだよね」




上月さんはクラスの中心にいる金髪くんを睨みながら言う。



そういえば…私、彼に嫌われてるから


このクラスで私に近づく子、いるわけなかった。




「上月さん…変わってますね」



「へ?なにが?」



「わ、私…
彼に嫌われてる、から…
私と仲良くしたら、上月さんも嫌われちゃう…」



「あー?そんなの気にしないし。
ていうか言ったでしょ?あーいう奴嫌いなの。
嫌われた方がいいんじゃん?」



「つ、強いですね…」



「こういうとこが空気読めないって言われる所以なんだけど。
けど、歩み寄る努力をせずに勝手に相手が悪いって決めつけて、一方的に天音さんを悪者扱いするのが不快だったんだよね。

だからあたしは天音さんと会話をする努力をするところから始める」




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