チャラ男の本気は甘すぎる
友達の条件
「天音さーん、あとついでに片倉ー。
試合始まるってー」
「あ…はい!今行きます!」
私たちのブロックの試合がもう始まるみたいで、上月さんが呼びに来てくれた。
「トーナメントだからさっさと負けてサボっちゃおうよ」
「賛成ー」
上月さんと片倉くんがそう口にする。
……やっぱり、『頑張ろう』って言ったら空気悪くなるかな…。
「初戦の相手、F組だよ。
あそこめっちゃやる気すごくない?」
「紫央んとこだよな。
アイツこういうの真剣にやる奴じゃないのに」
『なんであんなやる気になってんの?』って不思議な顔をする片倉くん。
……紫央くんも、本当はこういうのやる気ないんだ?
でもやる気になってくれてるのは
賞品があるから?