チャラ男の本気は甘すぎる
「憂莉」
頭の上から降ってくる声が、心臓の音を加速させる。
「俺もそっちの応援混ざっていい?」
「はぁ?自分のクラスの応援行けよ」
「いやぁ、俺黙ってられないタイプだし」
紫央くんと片倉くんがなんか喋ってるけど…
……黙ってられないとは?
「渉。
おまえあんだけひどいこと言っといて、自分を選んでもらえると思うなよ」
「……努力くらいさせろ」
「……」
2人の間に流れる空気が、ピリついてる。
「あ、あのっ…!」
この空気をなんとかしようと声を上げたら、思いのほか響いて恥ずかしくなった。
「ご、ごめんなさい…」
「また謝ってら」
「そうそう。憂莉が謝ることないよ」