チャラ男の本気は甘すぎる
よしよしと紫央くんに頭を撫でられる。
また、心臓バクバクいってる…。
「け、ケンカしないで、ね…2人とも…」
「ケンカ?してないよ」
「……ま、ケンカとは違うわな」
注意したけど、ケンカじゃないって言われちゃった。
私が恥ずかしい思いしただけだ…。
「し、してないならいいの…。
……あ、じゃああっちに応援に行こうかな…」
「俺も行こー」
私が別のブロックのB組の人たちの方へ向かおうとしたら、
やっと紫央くんは腕を解いてくれて、私の後ろについてきた。
「……邪魔者め」
「なにか?」
「べつに」
後ろで紫央くんと片倉くんがなにか喋ってたみたいだけど…
やっぱりちょっと、空気がピリッとしてた…と思う。
優勝できたら、そんなこともなくなるかな?
紫央くん、ちょっと落ち込んでそうだったから
勝って、喜んでくれたらいいな。