チャラ男の本気は甘すぎる
そういう子は、決まって俺も気になってた子で
いつも、『また被ったか』くらいの気持ちだった。
でも、憂莉は違うだろ。
お前、一番最初に憂莉を傷付けたくせに
今さら、気に入られようとしてんじゃねーよ。
「今回は見逃せねぇな」
「……は?」
いつもはそこまで執着してなくて、渉に譲ってやってたけど
今回ばかりは譲りたくない。
「憂莉、悪いけど今日は一緒に帰れない」
「なにか用事…?」
「うん。
ていうか、チームでお疲れ会」
あ、やべ。
素直に言ってしまった。
こういう言い方したら……
「じゃあ…オレらもする?お疲れ会」
「楽しそう…!!」
……そうなるよな。
渉が憂莉といる時間を俺が増やしてどうする。