チャラ男の本気は甘すぎる
憂莉は頑張ってるよ。
苦手を克服しようと。
笑莉ちゃんがいなくても、
笑おうとしてるよ。
「憂莉は笑莉ちゃんがいなくても頑張ってる。
見てもないのに否定しないでくれる?」
「……っ、」
「俺、憂莉が俺と同じ学校に来てくれてよかったって思ってる。
笑莉ちゃんから離れてくれて、よかったなって思ってる。
けど、最近一個だけ、
笑莉ちゃんがいたらなって思うことがあってね」
「……なに?」
「笑莉ちゃんがいてくれたら、
ライバルいなくて済んだのになって」
笑莉ちゃんがいたら、渉は最初から笑莉ちゃんしか見なかったかもしれないのに。
1人だから、憂莉がモテちゃうじゃん。
「……知らないわよ、そんなの」
「そりゃそうだよな。
憂莉が勝手に決めたんだもんな」
「……本当に、憂莉ってばか」