チャラ男の本気は甘すぎる
たぶん片倉くんは、もう私に取り入る必要ないんだって思ってる。
だから、奢られるのは申し訳ない。
「ちょっ…なんでだよ!
まだなにも食べてないじゃん!」
「大丈夫です…!
片倉くんが、私に奢るのは嫌だと思うので…!」
「はぁ!?
そんなこと言ってねーだろ!」
怒鳴る片倉くんに腕を引っ張られ、
強引に席に戻された。
「……じゃあなんですか…
奢って貸しにして私のこと脅すつもりですか…」
「はぁ?んなことしねーよ。
なんでそうなるんだよ」
「だって……」
自分が、私に価値がないって言ったんじゃないか。
ぞんざいに扱われても不思議じゃない。