チャラ男の本気は甘すぎる
「とにかく今は好きに食え。
お疲れ会はおまえが主役だろ」
「…え…?」
「一番頑張ったのは、天音だろ」
「そうそう!
士気あげてくれたのは天音さんだよね」
片倉くんに続いて、上月さんまでそんなことを言う。
……私は、賞品のために頑張っただけで…そんな褒められるような感情じゃなかったのに。
「天音がMVPだから」
「そ、そんな大それたものでは…」
「いいから食えよ。
オレからの賞品ってことでさ」
勝てたのは、片倉くんも頑張ってくれたからで…。
「み、みんな頑張ったんだから、
みんなで、均等に分けましょう…!」
片倉くんが笑莉のことを知って、私のことを完全に嫌う前に、
この時だけは、友達らしくありたいと思った。