チャラ男の本気は甘すぎる
片倉くんの全力拒否の末に、やっと紫央くんが頬を撫でるのをやめた。
「で、渉。
おまえ笑莉ちゃんに会ったの?
よかったね、理想の女の子に会えて」
紫央くんがニコッとわざとらしく笑顔をつくると、
片倉くんは意外にも、「はぁ?」と返した。
「ないだろあれは!!
同じ顔でもあれはないだろ!!」
「えー?
憂莉の顔でちゃんと喋れる子が理想だろ?完璧じゃん」
「どこが…!!
殴られてんだぞこっちは!」
「殴られて惚れた?
やー、そういう恋もあっていいんじゃない?」
ぷぷ、と笑う紫央くんに、
片倉くんは言い返す。
「おまえこそ、
天音に内緒で会ってるとか言ってたろ。
おまえの方が、姉に興味持ってんじゃないの?」