チャラ男の本気は甘すぎる



あ……。



それ、言ったら…。




「ち、違うよ!
たまたまだって、言ってたし…!」




紫央くんが返事をする前に、私が答えた。



だって


もしも紫央くんが、片倉くんの言葉に「そうだよ」って言ったら…



立ち直れない…。



片倉くんの前でぎゅっとスカートを握ったら


後ろから、ははっと紫央くんの笑い声。




「…うん、まぁ、たしかにたまたまだけど、
いいかもね。笑莉ちゃんに興味持つのも」



「……え…」



「憂莉、俺以外にも友達できたでしょ?
だから、俺いなくてもいいかもなぁって、思ってたとこ」




………あれ。


そっか…。そうなんだ。



紫央くんはただ、



一人だった私が、可哀想だから一緒にいてくれただけだったんだ…。




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