チャラ男の本気は甘すぎる
顔を上げて、男の子を間近で見たら、
それは、懐かしい顔だった。
「大悟……くん…?」
「そう!覚えててくれたんだ!?」
忘れるわけない。
『顔はいいけど、おまえ根暗すぎ。
笑莉ちゃん見習えよ』
……私にトラウマを植え付けた人だから。
「元気してた?」
「え…、う、うん」
大悟くんは私を笑莉だと思ってるみたいだし、
私が憂莉だと知ったら何言われるかわからないから笑莉のフリをした。
「ねぇ、オレ笑莉ちゃんと別れてから誰とも付き合ってないよ?
笑莉ちゃんもっかいオレと付き合おうよ」
ね?と肩を抱いてくる大悟くん。
って……え…?
笑莉、大悟くんと付き合ってたの…?
……知らなかった。