チャラ男の本気は甘すぎる
大悟くんと二人きりになると、緊張して話せなかった。
誰とも話すことは苦手だったけど、大悟くんとは特に話せなかった。
『……憂莉ちゃんは、あんま喋らないんだね』
『……あ……
…ごめ…なさい…』
『べつにいいけど』
べつにいいけど、って言われたから、
このままでいいのかって思った。
話そうとする努力をしなかった。
大悟くんは、こんな私でもいいって言ってくれてるんだと思ってた。
けど、そうじゃなかった。
ある日の放課後。
大悟くんと、大悟くんの友達が一緒に喋っているのを、隠れて聞いてしまった。
『双子要素顔だけじゃん。
妹の方根暗すぎて話したくねぇんだけど』
ギャハハ、と笑ってる大悟くんとその友達たち。
『でも笑莉ちゃん妹のこと可愛がりすぎ。
笑莉ちゃんの前では妹にも優しくしてやってる』
『おい笑莉ちゃんの好感度上げるのに必死かよ〜』