チャラ男の本気は甘すぎる
なのになんで
離れてる方が、笑莉のことを気にしてしまうんだ。
ぐっ、と下唇を噛んで、階段を下りようとしたら。
「憂莉」
「……え…」
「明日の放課後、空けといて」
笑莉は私の顔を見ずに言うと、
私を追い抜いて階段を下りていった。
「……って、え?」
明日の放課後…?
え、なに、どういうこと?
……大事な用事?
明日って、なんかあったっけ…
誰かの誕生日?おじいちゃんかおばあちゃんの命日?いや、全部違う。
なんだろう…買い物とかかな。
今ちょっとケンカ中なのに…どういう風の吹き回し?
笑莉なりに仲直りしようとしてるのか、
それとも…なにか、私にとって嫌なことが起こるのか…。
……後者な気がしてならない。