チャラ男の本気は甘すぎる
そう自分に言い聞かせて、
「……すぐ終わらせてくる」
「はっ?ちょっ…」
大悟くんの前に立った。
「やっぱり笑莉ちゃんは優しいなぁ。
いつもオレの言うこと聞いてくれてたもんね」
「………」
笑莉が、大悟くんとどういう風に接してたかなんて、私が知るわけないけれど。
「屈んで」
「ん」
膝を曲げて、目を閉じる大悟くん。
我儘言って、キスせがんで待ってる姿は、なんとも滑稽…。
どうして、こんな人が好きだったんだろう。
今ならハッキリと、全然好きじゃないって言える。
屈んだ大悟くんの頬に軽く唇を当て、
すぐに離れた。
「……は?
キスって、そんなんでいいと思ってる?」
「彼氏がいながら、そんなことするわけないでしょ?
でもキスはキス。もう諦めてね」
まだ何か言いたそうな大悟くんだったけど、
紫央くんの腕にくっついて、もう話しかけないでオーラを出しておいた。
……さようなら。大悟くんを好きだった気持ち。
今、完全に捨てれたよ。