チャラ男の本気は甘すぎる
「それ、今日俺が巻いたんだー。
焼きそばも俺が詰めた!」
「そうなんですか?
すっごく美味しいです…!」
「ユリはいつも、なんでも美味しいって言うじゃん」
「本当に美味しいので!」
きっと早起きして作ってくれたんだなって思ったら、余計に感謝しかない。
紫央くんはいつも、『お金はいらない』って言うけど、タダでもらうのも申し訳ないくらい美味しいよ。
「ユリがパン食べてるとこ、
リスみたいでかわいい」
「え…り、リス?」
「もぐもぐしてるとこ。
小動物みたいでかわいいなって」
もぐもぐしなきゃ飲み込めないよ?
もしやこれ…またからかわれてる?
「……私は齧歯類っぽいということ?」
「へ?(齧歯類?)」
「……すみません。
また上手く返せませんでした」
きょとん顔の紫央くんを見て、また返答を間違えたんだって思う。
からかわれてるのがわかっても、どうやって笑いに変えれるのかわからない。