チャラ男の本気は甘すぎる
「あの…服を貸してほしくて」
「服?なんで?」
「土曜日、友達と出かける…から…」
「そうなの?
あたしも出かけるんだよね、土曜日」
「えっ」
じゃあ、笑莉ももしかして同じ服着たいのかな?
「どれ着たいの?」
「あの…ピンクの、リボンのワンピース…」
「え、アレ?
友達と出かけるのにアレは甘すぎでしょ」
「一番かわいいと思う服着てきてって、言われたから…」
「……やっぱその友達、おかしくない?
友達と出かけるのにそんな服着てかないって普通。
一応貸しとくけど、絶対バカにされるよ?」
「……そ、そんなことないから!」
紫央くんが嘘つくはずないもん。