チャラ男の本気は甘すぎる
「や、やっぱり変ですか…?
今からでも別のものを買いに…!」
「違う違う!そういうことじゃなくて!
……俺が言い出したことだけど、
その……予想以上に、かわいかったので」
言って恥ずかしいのか、ぽぽぽぽっと顔が赤くなっていく紫央くん。
私も一応、“かわいい”は言われ慣れてるけど…
そんな顔されたら、こっちも照れる…。
「……っと、じゃあさっさと行こ!
俺の用事が多いんだし、早く済ませよ」
「はいっ」
紫央くんの隣に並んで歩き出す。
紫央くんの隣は、照れくさいような、むずがゆいような、そんな気持ちになったけど
不思議と、嫌ではなかった。