チャラ男の本気は甘すぎる
そんな風に言ってくれる人、今までいなかった。
「笑莉ちゃんと比べて、自分をマイナスに捉えなくてもいいんじゃない?
笑莉ちゃんとは違う方法で、憂莉の良さを出してけばいいんだから」
『な?』と笑って頭を撫でてくれる紫央くん。
……優しいのは、私じゃなくて紫央くんの方だよ。
この時、ドキンドキン、と私の心臓が自分でわかるくらい激しく動いてた。
友達に優しくされることが初めてで、嬉しすぎてなってるんだと思って。
運動した後みたいに苦しいのに、不思議と心地よくて…
ずっとこのままでいたいって思った。