チャラ男の本気は甘すぎる
「……やだよ」
「ん?」
「紹介とか、しないからね…」
ぎゅっ、と紙袋を握る手に力が入る。
紙袋のくしゃ、と音がした時
「……憂莉…
それ、ヤキモチ?」
腕を組みながら私の顔を覗き込んでくる紫央くん。
……ヤキ…モチ…?
「ヤキモチとかではないよ…!
私は、ヤキモチとか妬いていい人種じゃないので…」
はは、と笑ったら
「妬いていい人種ってなに。
嫉妬くらい誰でもしていいだろ」
こういうの、笑って流してくれるかと思ってたのに、
紫央くんは怒ってるみたいだった。
「……ごめんなさい…」
「妬いたらダメとか、誰がそんなこと決めたんだよ」
「……昔、言われた、から…」