夏の終わりと貴方に告げる、さよなら
食事を終えると、立花は自身のバッグから、紺色の小さなジュエリーケースを取り出した。
そして、貝殻のように上下に開かれた箱を、嶺奈の目の前に差し出す。
白いクッションの中に鎮座していたのは、リングの中央に小さなダイヤが埋め込まれた、シンプルなデザインの指輪だった。
新しい指輪、本当に用意してくれてたんだ……。
疑っていたわけではないけれど、正直驚いてしまう。
嬉しいと思う反面、今までのことを考えると、複雑な感情が絡み合っているのも、また事実だった。
指輪から視線を上げると、彼と目が合う。
いつものふわりとした優しい笑みを封印して、真剣な眼差しをしていた。
その瞳を見ていると、こちらまで緊張してしまう。
「これは偽装でも、嘘でもない。正式な婚約。……嶺奈が俺を受け入れてくれるなら、この指輪を受け取って欲しい」
差し出された指輪を見つめたまま、嶺奈は思考する。
そして、貝殻のように上下に開かれた箱を、嶺奈の目の前に差し出す。
白いクッションの中に鎮座していたのは、リングの中央に小さなダイヤが埋め込まれた、シンプルなデザインの指輪だった。
新しい指輪、本当に用意してくれてたんだ……。
疑っていたわけではないけれど、正直驚いてしまう。
嬉しいと思う反面、今までのことを考えると、複雑な感情が絡み合っているのも、また事実だった。
指輪から視線を上げると、彼と目が合う。
いつものふわりとした優しい笑みを封印して、真剣な眼差しをしていた。
その瞳を見ていると、こちらまで緊張してしまう。
「これは偽装でも、嘘でもない。正式な婚約。……嶺奈が俺を受け入れてくれるなら、この指輪を受け取って欲しい」
差し出された指輪を見つめたまま、嶺奈は思考する。