夏の終わりと貴方に告げる、さよなら
 亮介の披露宴当日。

 嶺奈はドレスアップを済ませ、家を出た。会場は都内の一等地にある高級ホテルを貸し切って行われる。

 招待状に書かれた住所を見たとき、間違いではないのかと、一瞬思った。けれど、訂正文が送られてこないところを見ると、間違いではないらしい。
 
 亮介は一体いつの間に、高級ホテルで披露宴を行えるほどのお金を貯えていたのか。会場入りした嶺奈は、辺りを見渡せば、見渡すほどに違和感が膨らむ。

 周りには知らない人達ばかりで溢れ、私がここにいるのは場違いだと思った。

 そして、午前11時過ぎ、披露宴は始まった。

「──新郎新婦の入場です」

 二人が一例をして入場する。
 
 亮介の顔をまともに見たのは、別れを告げられた日以来だ。タキシードに身を包んだ亮介は少し、痩せた気がする。

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