夏の終わりと貴方に告げる、さよなら
あの日から、嶺奈は立花良平という彼のことが、気になり始めていた。
別に惚れたわけではない。
あの夜、彼は本当に手を出してはこなかった。
そんなにも、私には魅力がないのか。
だから、捨てられたのか。
そんな、くだらない事ばかり考えてしまう。
メモ用紙に書かれていた連絡先は登録した。
けれど、自分から連絡するのは、なんだか負けを認めたような気がして、最初の一歩が踏み出せないでいた。
もう一度だけ会って、後は忘れよう。
長考し、嶺奈は短いメッセージを送った。