BeAST
「面白いだろこいつ」
ケラケラ笑って見せれば、呆れたような顔をする3人。
1人を除いて。
「柿谷慎矢くん」
1歩前に出る与坂を後ろから片手で軽く抱き締めるようにする。
危ないからな。
「灯織ってね、すごぉく色んなこと考えてる子なの。だから、こんなふうに振る舞ってるけど、面白半分で君みたいなバカに付き合うことはない」
容赦ねえな。
「よぉく、その足りない頭で考えるといいよ。そこのレイプ魔もね。聞いてるかなぁ?」
ニコッと可愛らしく皇にも笑う与坂。
「そ、そうだぞ!!!ひ、灯織がしたいことを俺らは応援してるから、見逃してやってるだけで、灯織に言われてなかったら、今頃ぶちのめしてるからな!!!」
「ははっ、幸大には無理だろ」
「ああ!?」
なぁんか、このクラスに来た柿谷に感謝だな。
「柿谷慎矢、お前の暴力はこいつが校長に話したり、担任に話したりして治めてることだ」
ピクッ、と柿谷の眉が動く。
「柿谷の暴力も、皇の行為も、灯織は悪く言ったこと一度もない。全部、理由があっての行動だと話してる」
「礼、それ、かなり恥ず「俺は怒ってる」」
そうですか。
「お前らは、灯織の行動原理をしっかり考えたことがあるか」
説教始まっちまった。