BeAST



上目遣いで頬をぷにぷにとつつけば、分かりやすく口元を緩める丞さん。


「珍しい〜、丞の方がデレデレなんだぁ」


「てかてか!気付いちゃったんだけど、ヒール無しでその身長?!」


「はい、そうなんです……無駄にデカイですよね」


「いやいや、羨ましい!スタイル良すぎ〜」


「でも、ヒール履けないし、それに私より大きい男の人って結構少なくて。」



「いいじゃん。俺は好きだよ、キスしやすいし」


「女の子はそぉーいう問題じゃないの。ね、そうですよね?」


女は味方にすべし。



そこから、何となーく会話をして彼女たちはまたほかの場所へ歩いていく。


俺はガクッと丞さんの肩に頭を乗せる。


「疲労……」


「はは、頑張ってたね」


「やべえ、しんどい」


「本性出てる出てる」


「女のテンション怖」


「かなり限界っぽいね」


クスクス笑うから、肩が揺れて自ずと俺の頭も揺れる。


「なあ、デコピンして」


「え〜女の子に手を出すのはちょっと」


「早く」


額を出して目を瞑って丞さんの方を見る。


「1回だけだよ?行くよー」


「丞さん……?」


その声に俺は目を開けて、丞さんはその声の先を見たらしく、手の位置がズレて、


バチンッ


かなりの勢いでデコピンが放たれた。


「〜〜〜ったぁ」


「あ、ごめん!大丈夫!?ちょっと見せて」


俺の顎をクイッと上げて前髪を上げて観察する丞さん。




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