BeAST
「こっちは、俺の連れのミキ」
『クラブsignに連れてって。そんで、柿谷柊吾が居たら紹介して。俺が気に入られたら、置いて帰って構わない』
丞さんに伝えたこと。
グッ、と俺の腰を抱く丞さんの手に力が入る。
心配してくれてる。
俺はその手に自分の手を重ねて、撫でる。
「初めまして、ミキです」
でも、ちょっと心配しすぎだな丞さん。
俺の事見すぎ。
視線痛い。
「初めまして、柊吾です。」
独特の雰囲気。
やっぱり、弟の方が可愛いもんだな。
拗れてるとか、そんなレベルの話じゃねえなこの人。
静かに俺を観察してる目。
「丞さんの後輩さんなんですね」
「2つ下だよ」
「えっと、丞さんが26だから」
「24。君は?」
「21です」
「そっか。若いね」
3つ下に、若いね、なんて言わない。
普通。
見えねえって言いたいんだな。
「やっぱり、そう思われます?」
「うん」
「お恥ずかしながら、童顔がコンプレックスで……大人っぽくなりたくて、色々丞さんにお願いしてて」
ね、と丞さんを見上げれば、はっと意識を取り戻す丞さん。
「もう、話聞いてなかったでしょ」