BeAST
「人を、傷付けることを選ぶ人間。あ、そんで慎矢と皇にも会った。ハルとの関係軽く話した。」
『オーバーワークだよ、灯織』
呆れたように話す耀介。
「ありがとう、耀介。耀介に、この仕事をもらわなかったら、一生動かなかったかも。仕事だからやらなきゃって思える。」
耀介は、俺の事を分かってる。
俺を拾った理由は未だに分からないけど、それでも、俺が口でなんと言おうが分かってる。
「ハルにはまだ、黙っといて」
『分かった』
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白のニットデザインのチューブトップ。ハイウェストのスリットの入った、白地にベージュの花が描かれているロングスカート。
ショート丈で、袖がバルーンぽくなっているカーディガン。
黒のブーツに、ピンクゴールドの細めのチェーンネックレスと人差し指にリング。両耳に小さいピンクゴールドのピアス。
ノーメイクにこれはキツいからマスクをする。
カランカラン、と昨日も来た店内に入る。
運良く、出てきたのは葉賀さん。
「いらっしゃ…いませ」
俺を見て、困惑している。
ピンクの包装に入ったチョコを手渡す。
「葉賀さん、昨日ぶり。これ、あげる」
オクターブ上の声。
ビクビクっと身体を震わせる葉賀さん。
スッと耳元に口を近付け、
「俺が女だってこと、一応秘密なんすよ。これ口止め料ってことで」