BeAST
ホテル内のレストランとかで食事するものだと、俺は思ってた。
「入りな」
全然普通に部屋に招き入れられたんだが。
えー、お腹すいたよ俺。
やる事やってからなの?こういうのって。
そう思いながら中に入れば、景色が良すぎて窓に直行する。
「やばい!景色ちょー綺麗じゃないですか!」
それに、そこはリビングのようで、ベッドはない。
白と青を基調とした部屋。
「寒くない?」
「大丈夫です」
「ほら、お腹空いたでしょ。選んで」
あ、ここで食べるのか。
「普通にレストランとかでもいいと思ったんだけど、2人きりで話したくてね」
うわあ、ホテル連れ込むの上手。
「私はご飯食べれればどこででも」
ニコッと笑う。
ストン、と違和感なく柊吾の隣に座りメニューを見る。
「柊吾さん、どれにします?」
めっちゃメニューある。
しかも、頼めばそのメニューにないやつも作ってくれるらしい。
なんだ?柊吾専用か?
と思いつつ、見ていれば、返答が来ていないことに気がつき隣を見る。
柊吾は俺を見ていた。
「なんです?」
「やけにフランクだと思って。なんで、部屋に入ってから警戒心解いちゃってるの?」
あーそういうこと。
「なんか誤解してるみたいですけど、私は最初から警戒なんてしてませんよ。」