BeAST




ホテル内のレストランとかで食事するものだと、俺は思ってた。



「入りな」


全然普通に部屋に招き入れられたんだが。


えー、お腹すいたよ俺。


やる事やってからなの?こういうのって。


そう思いながら中に入れば、景色が良すぎて窓に直行する。



「やばい!景色ちょー綺麗じゃないですか!」


それに、そこはリビングのようで、ベッドはない。

白と青を基調とした部屋。


「寒くない?」


「大丈夫です」


「ほら、お腹空いたでしょ。選んで」



あ、ここで食べるのか。



「普通にレストランとかでもいいと思ったんだけど、2人きりで話したくてね」


うわあ、ホテル連れ込むの上手。


「私はご飯食べれればどこででも」


ニコッと笑う。

ストン、と違和感なく柊吾の隣に座りメニューを見る。


「柊吾さん、どれにします?」


めっちゃメニューある。

しかも、頼めばそのメニューにないやつも作ってくれるらしい。

なんだ?柊吾専用か?


と思いつつ、見ていれば、返答が来ていないことに気がつき隣を見る。

柊吾は俺を見ていた。


「なんです?」


「やけにフランクだと思って。なんで、部屋に入ってから警戒心解いちゃってるの?」


あーそういうこと。


「なんか誤解してるみたいですけど、私は最初から警戒なんてしてませんよ。」



< 172 / 337 >

この作品をシェア

pagetop