BeAST
「はは、柊吾って意外に真面目だよな」
「笑い事じゃない。君が誰でも別にどうでもいいけど、年齢はちゃんと訂正すべきだ」
ごもっともで。
「すっかり頭からすっぽ抜けてました。ごめんなさい」
ふう、と息を吐く柊吾。
「髪、エクステだったんだ?気付かなかった」
サラッと俺の頭を触る柊吾。
「ん。丞さんプロかよって思うよな」
「プロなんだよ」
「それ丞さんも言ってた」
「…会いたくなっちゃった?」
首を軽く傾げる柊吾。
「全然。今日も学校のやつらに、もう話しかけんなって言っちった」
「いいの?」
「これ見てわかんだろ。」
制服を見せる。
「自分偽る前に、性別も偽ってんだし、バレたらそれまでだし。1人になったらお前んとこ来ればいいだろ」
「そんなの、寂しいだろ」
真面目な顔で言う柊吾。
俺がニヤッと笑えば、ふっと笑う柊吾。
「上等だよ」
俺の言葉に心底楽しげに笑う柊吾。
「灯織」
皇の声がする。
「心配すんな。俺、この人の味方じゃないから。な、柊吾」
「…名前も年齢も、今知った」
我に返る様な素振りを見せる柊吾。