BeAST
「んな兄貴が……そんな、アンタが」
ガンッとローテーブルを横に投げるように滑らせる。
「なんで」
柊吾の胸ぐらを掴んで泣きながら、赤い目で柊吾を睨みつける。
「……なんでだよ」
柊吾の顔は変わらない。
痛い、心が痛い。
綺麗すぎてるな。
「説明しても分からないよ。分からなくていいんだよ」
そのタイミングで、ドアがノックされる。
「あ、続けて。俺のポテト」
席を立って、フライドポテトを貰いに行く。
慎矢は胸ぐらから手を離して、棒立ちになってる。
「俺にもちょうだい」
「ん。水いる?」
「お前は全部知ってたんだな」
柊吾にポテトをあげながら、慎矢の言葉に慎矢を見る。
「言っただろ。ハルは聞いてもないのに全部話してくるって。あ、でも、全部じゃなかったってこの間知った」
ポテトを差し出し続ければ、首を振られる。
ポテトをテーブルに置いて、ペットボトルの蓋を開けて渡す。
「柊吾は、高校生、ましてや中学生には流石に手出さないらしい。ここまできて、犯罪はしませんとか、笑えるだろ?」
ククク、と笑って返されたペットボトルのフタを閉める。
「ほら、ハルに伝えてやれよ。意識失ったあと、お前は何もされてない。
鳳総合病院、西棟の306号室。」
ストン、と柊吾の隣座って柊吾の肩に頭を乗せる。