BeAST
「ねえ、なんで切っちゃうの…!?その人といたら!」
少し興奮するハル。
「大丈夫だよ、ハル。ひおは大丈夫。僕が保証する。危なかったら、耀介を呼ぶと思うし」
ハルの頭を撫でてあげて、こちらにもう入ってきていた2人に
「ハルが心配だから、ここで話してもらってもいいかな。ほら、そこに椅子があるから座って?僕のことは気にせず」
笑って見せれば、興味ありげに2人は僕を見ながら、それでいて素直に座ってくれた。
「気になるなら、話すよ。僕はひおが孤児院に居た頃、ずっと一緒にいた家族みたいなものだよ。まあ、この間告白したら玉砕したけどね。」
ふふ、と笑う。
「それで、ハルは昔からひおのことが大好きで、ずーっと着いて回ってた同級生ってところかな。必然的に僕も知り合ったって感じ。君たちのことは、ひおにハルが話していたのを眺めてたから、大方は知ってる。君のお兄さんのことも。」
「灯織……何かされてたら、どうしよう」
「ハル、そろそろ怒るよ。」
キツくいい放てば、ビクッと体を揺らすハル。
「ひおは、残念だけど、お兄さんと同じ側の人間だよ。元々、僕らみたいな " 普通 " の人間を嫌悪してる。」