BeAST
ケーキを食べ終えて、袋にゴミを入れる。
「飲み物ないとキツいな。皇、飲み物買いに行くの付き合って」
席を立ち上がり、病室を出る。
黙って皇は着いてくる。
「あいつら何がいいかな」
売店で飲み物を選ぶ。
「お前は」
やっと口を開いた皇。
「これからどうするんだ。その仕事っていうのも、達成したんだろ」
「そうだなぁ。俺は高校なんざ出るつもり無かったし、仕事のために入学した。お前らに近づけるように男の格好してな。学校のやつらとも、もう付き合うつもりないし、もういる意味ねえんだよなハッキリ言って」
視界に、皇の拳が入る。
すげえ力で握ってる。
「ま、耀介に話してだな。条件が1つとはあいつも言ってない。」
5本飲み物を買って、売店を出る。
袋から1本飲み物を取り、皇に渡す。
「じゃ、俺帰るからそれよろしくな」
「は?」
手をヒラヒラと振って、歩く。
その手をパシッと掴まれ、振り返れば、
「勝手すぎるだろ」
皇は悲しげに、それでいて憤りを隠せないように怒鳴った。
何も、返す言葉がない。
その通りだからだ。
「ごめん」
俯いて謝る。
掴まれた手をゆるりと解いて、進行方向へ進む。