BeAST




「出来たよ」


キッチンに行けば、パスタが出来上がっていた。


「天才。俺持ってくよ」


「ん、よろしく」


慎矢の前と、いつもの柊吾の席に料理を置く。


その席の隣が俺。



「どうぞ」


柊吾が俺の前にパスタを置いてくれる。


「さんきゅ。いただきまーす」


柊吾は家事全般完璧だし、仕事もできるし、前に慎矢が言っていた通り優秀な人間なんだと思う。

柊吾が仕事忙しい時は、俺が作る。


「学校、もう来ないつもりか」


慎矢が口を開く。


「さあ。耀介から連絡来ねえし、いいんじゃね?」


柊吾が、ピクリと反応する。


「来てないんだ、耀介さんから」


「うん。報告はした。とりあえず色々終わったぞって。でも、了解ってしか来てないな。この感じだと、今年度であいつも学校辞めんじゃねえかな。俺の監視で居ただけだし」



「そう」



「やっぱ、あいつ、かなり凄いやつなんだろ?柊吾、あいつの名前出すと毎回動揺してる」


そう言えば、柊吾が俺の顔を見る。


「鳳。そこの長男の息子だよ、あの人」


「えっ、長男!?あ、でも、その人の息子で次男だから、跡取りっつーことは」


そこまで言って、慎矢が視界に入る。


「あ、そっか。その辺関係ない場合もあるんだな。」


ここの兄弟も複雑だったな。



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