BeAST
「まあでも、耀介の兄貴バリバリやってるっぽいし、兄貴が跡継ぎそう」
「まあ、あそこはそうだろうな。まあ、総帥は耀介さんの祖父にあたるだろうし、跡継ぎはもっと後になるだろうけど。」
「じゃ、あいつも今、なんか忙しいのかもな。……くたばってないといいけど」
「そんな玉じゃないでしょ、あの人は」
柊吾がそんなこと言うなんて、かなり凄いやつなんだな。
「そうでもないぞ、多分。俺に仕事したくないって泣きつく男だぞ」
「は…?」
「男なんて、表面カッコつけてるだけで中身なんて女と大差ねえって。」
耀介がどれだけ凄かろうと、俺が見えてる耀介が本物だと信じてる。
「でも気になる。高校ん時の耀介ってどんなだった?」
「女には凄いモテてたし、生徒会長やってたし、爽やかって感じ。」
「うわぁ、っぽいわ」
想像できるな。
「丞さんは、副会長やってた。あの頃はクールだった。女に興味無いって感じで、彼女いるって噂も無かった」
全然想像できないな。
久しぶりに、名前聞いた気がする。
「聞きたくなかった?」
俺の顔を覗き込む柊吾。
「いや、想像できねえなぁって。」
「今も丞さんの香水使ってるでしょ」
そりゃ、気付くか。
「俺のお守りだから」