BeAST
「とりあえず、ここで話してても、まとまりはしないと思う。柿谷、皇。灯織の現状を伝えてくれてありがとう。」
この場をどうにかしないと。
「それで、お前らはこれからどうするんだ?」
2人は目を合わせて俺を見る。
「灯織といる、その人間と連絡を取れるのは俺だけだ。だから、もう一度、灯織と話せないか連絡してみようと思ってる」
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ああは言ってたけど、話が通じるとは思えない。
「相見先生も門前払いだったし、柿谷達もそんな期待出来ないよねえ」
与坂も、同じことを考えてる。
相見先生に、灯織が学校にもう来ないのか聞いたけど、さあ、としか答えなかった。
完全に、灯織の意思でしか、この事は動かないのかもしれない。
「灯織に会ってきた」
柿谷が俺らの元へ来て、そう言った。
「あいつとも、話してきた」
グッと眉間に皺を寄せる柿谷。
「結果、俺から言えることは、
灯織のことは、俺らにはどうにも出来ない」
何故かその言葉には、重いなにかを感じて、頭を鈍器で殴られた感覚がした。
「七種。お前は俺らにも知らないことがあるって言ったよな」
「ああ」
「灯織も、灯織自身について知らないことがある。それは、もう俺達には手に負えない問題だった。」
「どういうことだ、慎矢」
皇が、立ち上がる。
「俺の口からは、言えない」