BeAST

スマート。

無駄がない。


……何故お前が初めて知ったような顔をしているかは理解出来んがな、灯織。



「……今、頭の中で俺の事貶してるでしょ」


ジト、と灯織を見る真壁丞。


「え？あーいや？ちゃんとしてんだなぁ、一応。って思っただけ」


「一応って。前から言ってるけど、俺大人なの！」


「……大人」


ふっ、と貶すように鼻で笑う灯織。


「何その可愛くない笑い方」


「はは、ごめんて。なんか、遠く感じたから拗ねた。普通にすげえな、って思った。」


首を傾げて、真壁丞の顔を覗き込む灯織。


その灯織の顔は楽しげで、目が真壁丞だけを映している。



「……ツンデレが、過ぎる」


そんな灯織を見て頭を抱える真壁丞。


「嫌？」


「嫌じゃないって分かってるのに、毎回聞かないでくれる！？」


眉間に皺を寄せる真壁丞へ、満足気に笑う灯織。



「イチャついているところ悪いが、時間が押している。行くぞ、灯織」



ビクッと肩を跳ねさせる灯織と真壁丞。



「なあ、天馬」


気を取り直したように俺を見る灯織。


「丞さんに告られたけど、まだ返事出してない。俺が色々ちゃんとしてから付き合うことにする。」


俺に、言うのか。

真壁丞と言えば、そんな灯織を真っ直ぐに見ている。

苦労、するだろう。

まあそんなこと、2人とも理解した上でだろうが。