BeAST
「好きにすればいい。俺が咎めることではない」
そう答えれば、真壁丞が俺を見る。
「ただ、先程お前に話した通り、お前の行動はお前の責任下だ。俺はお前を甘やかす気はない。しっかりと責任を果たすのなら、誰にもお前を、お前達を咎める権利はない。
責任を果たした上で、他が何か言おうものなら、俺が叩き潰そう。俺には俺の、責任がある。」
2人の目の力が強まる。
「……やっば、かっこよ過ぎて吐血しそう」
「ぶっ」
真壁丞の訳の分からないリアクションに、盛大に吹く灯織。
「今の言葉に対してのリアクションそれかよ」
ゲラゲラ笑う灯織。
少し、瞳が潤んでいるようだが、それを分かっていて灯織を笑わせようとした、のか。
笑う灯織への向ける目が、とても優しい。
「いってらっしゃい、灯織」
「ん、行ってくる」
二人の間にある繋がりは、俺が思っているより強くしなやかなものであると、そう信じたい。
利害の無い信用など、なんの価値があるのか。
そんなことは、さすがに問わない。
俺はこれでも、灯織を愛してる。
『て、んまっにいちゃ』
あの日、お前が俺を呼んだ日から、全力で護ると決めた。
思い出すだけで、目頭が……