BeAST
菜摘さんと正人さんの子供だしな。
そんな害もなさそうだけど。
「何故です?」
「耀介や天馬とのやり取りも見ていたし、お爺様や彰仁おじ様との話もしっかり聞いていて、あなたに興味が湧いたのよ」
この人も、そこそこ変わってるな。
暴れてたとかそういうのも聞いてたはずだろ。
「……そんなに面白い人間でもないですよ?」
「つまらない人間にいちいち反応する人達じゃないわ?耀介や天馬、お爺様や彰仁おじ様は」
さいですか。
「…お好きにどうぞ」
「テンション低いわね?それが素?」
「まあ」
御手洗を出て2人で会場を戻る。
「あれ、今探しに行こうとしてたんだけど」
耀介が目をぱちぱちと瞬かせる。
「ちょっと話してた」
「そうだったんだ?御手洗にしては長すぎるなと思ってさ」
「悪い」
心配させた。
さっきの純菜さんの話はガチか。
「心配するなら、ちゃんと着いていきなさいよ」
「はは、女の子の御手洗について行くってのもどうなのかなって」
「ここでは話が別よ。」
まあ、これまでの俺を見ていればちょっとやそっとの事じゃ危なくねえとは耀介も思っているんだろう。