BeAST



「やっぱりそうなのね」


疑惑が確信に変わったようにため息をつく純菜さん。


「耀介も天馬もそう。あなたそのままだと、耀介と天馬みたいに婚期遅れるわよ?」


いや、2人とも一応適齢期と言うやつだとは思うが。


「それは困る」


真顔でふざければ、耀介に頭を小突かれる。


「まあそれは冗談として。」


クスクス笑う純菜さん。


「甘えベタに甘えられるのは、周りにとってとっても嬉しいことだから、頑張って甘えなさい?慣れれば良いものよ?甘やかされるのも」


「さすが一人っ子」


「私は生まれてから、甘えるのを我慢したことなんてないわね」


耀介の言葉に真顔で答える純菜さん。


頑張って、甘える、か。


「じゃあ今度、純菜さんに甘えていい?」


目を細めれば、少し顔を赤くする純菜さん。

大人びているようで、可愛いんだよな。


「赤くなってる。可愛いね」


耳を指で撫でれば、ピクッと反応する。


「そんな可愛い反応、男の前でしちゃダメだよ?」


くすくす笑って耳元に顔を寄せる。


「悪い男に捕まっちゃうからね」


地声で囁けば、目を見開く純菜さん。


女としての俺で仲良くなれる女の人なんて、今までほとんど居なかった。


だから変な感じだ。



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