BeAST
結花もそうだけど、嬉しくて虐めたくなるんだよな。
「はいストップ。うちの末っ子が1番手悪いから、仲良くするの程々にね」
「んだよ、良いとこだったのに」
「今まで見た事ない顔してたよ?灯織」
「あー、丞さんとこの仲良い女の人のスタッフにも同じようなことしたら、丞さんにナンパすんなって怒られた」
スン、と怪訝な顔から真顔になる耀介。
「今まで女と距離置いて生活してたから、距離置かなくていいって言われると嬉しいんだよ」
「そこだけ聞くと、結構問題だよ?」
「ど、どういうこと?」
純菜さんが困惑している。
「ちゃんとした女友達を作れない環境で生活してきたんです。だから、距離の詰め方がイマイチ」
純菜さんの髪を掬い取り、指で遊ぶ。
「今の詰め方だと、心臓に悪いわね」
「えー」
「……なんで少し嬉しそうなの?」
「困ってる純菜さんも可愛いなって」
触れるか触れないか、純菜さんの頬を指で撫でる。
「純菜、じゃあまたね」
グイッと耀介に腕を引かれる。
俺もヒラヒラと手振る。
「あー可愛かった」
「灯織、その格好でも十分相手惚れちゃうからやめなさい」
「え?女だけど、俺」