BeAST
「良かったです。それなら、千隼さんとは仲良くなれそうです。」
ニコッと笑ってみせる。
「その性格は、確かに兄貴でも義姉さんでもないな。親父の血だ。つまり、俺とも似てるのかもしれない。」
「なんかそんな気がします。千隼さんのその目、落ち着きます。」
「ははっ、よく不快だと言われるんだがな?落ち着くとは初めて言われた」
思わぬところに理解者。
「灯織」
名前を呼ぶのは、天馬。
いつの間に近くに来てたんだ?
「何」
「統帥が呼んでいる」
おお、ボスからの呼び出し。
「分かった。千隼さん、またお話しましょう?」
ニコッと笑えば、ヒラヒラと手を振る千隼さん。
天馬と耀介の元に歩けば
「千隼さんとあんな風に話す人、初めて見た」
「そう?俺と話してる時点で、耀介も天馬も千隼さんと合うと思うけど」
「俺たち、これでも灯織と違って素行いいからさ」
「いい子が嫌いって言ってたろ。俺たちはかなりのいい子だ」
ああそうか。
仕事のできるボンボン。
自分のマネジメントも完璧か。
「へーへー、素行も性格も悪いガキですけど何かー」
話しながらじいちゃんの元へ歩けば、
「仲が本当にいいんだな」
じいちゃんが笑って俺たちを見る。