BeAST




俺の頭を撫でて


「良かったね」


こいつらが、俺を受け止めてくれたことに。


「君たちも悪かったね。灯織のこと、ちゃんと伝えられなくて。俺から聞くより、灯織からちゃんと話した方がいいと思ったんだ。」


4人は静かに耀介を見ている。


「どうする?夜までいるなら、夕飯、何か買っていこうか」


「いいよ、疲れてんだろ」


「分かってるでしょ。俺も久々に灯織の家行きたい」


あの日、耀介から全てを聞いた。


耀介の幼い頃からの後悔と懺悔。


「じゃー任せる。気をつけて来いよ」


「分かった。灯織たちも気を付けて帰るんだよ」


にこりと笑って歩いていく耀介。


「悪い、行くか」


「え、待って。」


与坂が言いたいことは何となく。


「あれ、兄貴」


そうつぶやけば、え!?と全員が叫ぶ。


「先に謝っとく、悪い。俺はお前らに言ってないことが多すぎる。それをこれから聞いてもらう」



途中コンビニに寄って菓子や飲み物を買って、俺の住んでいるマンションを見て4人が言葉を失う。


「ここ、鳳財閥ってのが持ってるマンション。俺の家は40階。」



部屋に入り、リビングに招く。


「この間引っ越してきたばっかりだから、汚くはねえと思うけど、殺風景で悪いな。」


「いや、窓でかすぎ、景色良すぎ」


「外はな」



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