BeAST
鳳耀介side
灯織と丞が話しながらリビングを出ていく。
「なんか、ごめんね」
制服姿の4人に謝る。
あいつを連れてきたのは俺だけど。
「君らに全部伝えるのかなり緊張してたから、あいつ呼べば少しは喜ぶかと思ったんだけど」
「俺らが邪魔な気がして来ました」
七種くんが呆れたように笑う。
「凄すぎる……本物だ……」
与坂舞子はかなり動揺しているらしい。
まあ、普通の女の子はこの反応が正解なんだよな。
「ごめん、あたしファッション誌とか疎くてよく分かんないけど、凄いかっこいい人だね」
疎い、と言う割に与坂さんと犀川さんは美人な子達だ。
「でも、意外だな。灯織ってああいう男が好きなのか」
井筒くんが眉間に皺を寄せる。
「だな。」
腑に落ちない男2人。
「俺もあいつはやめとけって言ったんだけどね」
「えっ、そうなんすか?!」
ボリューム大きめな声で言う井筒くん。
「うん、女癖悪いから。女の子は不特定多数居るにも関わらず、名前うろ覚えっていう最低男だったから」
え……と4人とも固まる。
「でも、まあ安心して欲しいのは、今は灯織しか見えてないってことかな。丞も一応苦労してきてるやつでさ。一時期は血迷って最低男やってたって感じなんだ。」
俺がフォローするのも変な話だけど。