BeAST
「君たちには感謝してる。灯織のこと受け止めてくれたんでしょ?」
テーブルの前にしゃがみこんで、4人を見上げる。
「きっと灯織は本当に嬉しいだろうし、君たちのことが大好きだと思う。あんな分かりづらい子だけど、これからもどうかよろしくね。」
俺を真剣な顔で見る4人は、しっかりと頷いてくれた。
「それにしても、耀介さんはそんなに雰囲気柔らかいのに、何であいつはあんなトゲトゲしいんすか」
「あはは、性格で言えば、俺は親父似でね。親父は基本温厚なんだ。兄貴は母親似。ちょっときつい性格はしてる。灯織は、祖父に似てるんだ。祖父っていうのは」
「鳳財閥の統帥をしてる方、ですよね」
七種くんが恐る恐る言葉にする。
「そう。昔はかなり暴れてたらしくて、周りも手を焼いたそうなんだ。灯織はあれでも落ち着いた方だし、灯織の母親にも似ている部分があるから、君たちみたいな良い友達も持てているんだろう。」
「なんか、俺の悪口言ってたか?」
扉が開いて灯織が俺を睨む。
「言ってないよ。うちの妹は手を焼くだろうけどよろしくって話してただけ。」
不満そうな顔を作ってみせるが、心は少し喜んでいる様子。
「ほら、ピザが冷めないうちに食べよう」