BeAST
「……お前こそ、他人に首突っ込むようなタチだったのか」
……こいつ、結構、俺の事見てるな。
まあ、嫌味なんだろうが。
「反抗期か?」
とっとと失せろ。
そう吐き捨ててまたベッドに舞い戻る。
腹痛ぇ。
早く来いよ、耀介。
「灯織ぃ、まだ居る〜?」
皇が出ていく足音は聞こえず、そんな声が聞こえる。
「あれ?皇くん、どうしたの?」
「あ、いや。失礼します」
「え?あれ、怪我してるね。あっ、もしかして、灯織が手当てしてあげたのー?」
俺のいるベッドに向かって話す耀介。
「てめえが遅いせいでな」
「あは、ごめんて。でも、喧嘩の傷は灯織の方が手当て上手だし。皇くん、運いいね?俺だとどうしても滲みちゃうから」
なぁにが、皇くん、だ。
「灯織、七種くん達が灯織が辛そうだから送って行ってくれって言いに来てくれたよ」
「……言わなくていいっつったのに」
「それだけ大事な友達ってことだね。俺嬉しいよ」
「きめえ」
「うわあ、さっきは俺の事」
何か変なことを言うつもりであろう耀介の元に歩き、耀介の頭を持って頭突きをする。
「駐車場、先行ってる。」